2023/05/17

『明日の田園都市』

明日の田園都市 (SD選書 28)

『明日の田園都市』
E.ハワード
長 素連 訳
鹿島出版会

ショッピング・モールが日常的になってきたのでだいぶモール熱もおさまってきましたが、まあ、これは読んでおかねばということで。

最初の『明日』が出版されたのが1898年、底本が1965年版、この日本語訳が1968年の出版ということで、非常に読みにくい訳でした。(山形浩生による新訳版が2016年に出ていますが図書館にはなかった。)

都市計画というよりは社会主義的な経済の話が多く、当時のイギリスの状況や地方税がよくわからないのでほとんど理解できないままなんとか読了。

ほかの書籍の引用で読んでいたときはハワードの田園都市構想は夢物語みたいな都市計画だと思っていたんですが、レッチワースやウェルウィンなど実験都市もつくられ、イギリスのみならず各国の都市計画に影響を与えてるのだと今さらながら知りました。

農村と都市が融合し、職場と住居が近接し、学校、図書館、商業施設が歩いていける範囲にある。これがどこらへんまでちゃんと実現しているのか知りたいところです。

田園都市が同心円で構成されているところもSF的で惹かれていたんですが、レッチワースなど実際の都市は必ずしも同心円なわけじゃないんですね。概念的なものだろうから当たり前なんですけど、勝手にガンダムのコロニーみたいな都市をイメージしてました。