2022/09/28

『観光』

観光 (ハヤカワepi文庫)

『観光』
ラッタウット・ラープチャルーンサップ
古屋美登里 訳
ハヤカワepi文庫

著者の名前が何度見ても覚えられない&発音できない、タイ文学。
タイ文学といっても著者はアメリカの大学で創作を学び、英語で執筆しているタイ系アメリカ人。
観光客に対する軽蔑と憧れ(飼っているブタの名前がクリント・イーストウッド!)、クジ引きで徴兵が決まる抽選会(でも金持ちは付け届けをすれば逃れられる)、難民との確執など、タイ出身だからこそ書ける視点もありますが、貧しさとともに生きていく強さなど、ルシア・ベルリンやヘミングウェイのような雰囲気も感じます。
注目のアジア系若手作家なのだが、訳者あとがきによると、2010年の時点で著者とは連絡がとれず、執筆をつづけているのかも不明だそうだ。
(あとがきに出てくる紀伊國屋で開催された「ワールド文学カップ」覚えてる!)

よくみるとブタちゃん(こいつがイーストウッド)が泳いでいる表紙。