『ケルト 再生の思想 ハロウィンからの生命循環』
鶴岡真弓
ちくま新書
鶴岡真弓
ちくま新書
ハロウィンってなんでカボチャなんだろう。メキシコの死者の日とも似てるよね、と思っていたところ、@ westmountainbooksさんがこちらを紹介していたので読んでみました。
ハロウィンはもともとケルトの祭サウィンが起源で、11月1日を境に「光の半年」から「闇の半年」へと移行し、前夜である10月31日には光と闇、あの世とこの世、生と死が混ざり合う、という冒頭からもうワクワク。
冬の祭サウィン(11月1日)から始まり、春の祭インボルク(2月1日)、夏の祭ベルティネ(5月1日)、秋の祭ルーナサ(8月1日)とケルトの4つの季節祭をとおして、一年のサイクルと循環する生命の思想が解説されていますが、「帰ってくる死者を供養する」のは日本のお盆と同じで、そのほか、お正月飾りやナマハゲやら日本とケルトの民間伝承に近いものがあるのがおもしろいです。
自然崇拝が根底にあり、農業を中心とした暦だから基本的な思想が似てくるのか、なんだかすごく共感できる。ケルトをとおして日本的な考え方を再発見します。
おもしろすぎて引用が長すぎますが、エンターテイメント化してしまったハロウィンの原点を知ることのできる良書です。