
『回復する人間』
ハン・ガン
斎藤真理子 訳
白水社
ハン・ガン5冊め。ほぼ一年前に『すべての、白いものたちの』を読んだのが最初なので、よいペースだと思う。
彼女の作品に共通して感じるのが「何かを失った人の孤独」。『回復する人間』はまさに「喪失と回復」がテーマの短編集。しかし、再生の物語にありがちな生やさしさはなく、永遠に失ってしまったものへの諦念、必死になって立ち上がろうとする壮絶さ、ギリギリのところで生きていくことを選択する人の強さを感じます。
木に対するシンパシー、夜明けに綱をもって家を出る話は『菜食主義者』にもでてきます。
『青い石』のガラスのように壊れそうな2人の物語がよかったので、これをもとにした長編『風が吹く、行け』も読んでみたい。
コロナを言い訳にいろいろ停滞してしまっている私ですが、そろそろゆっくりでも前に進まなくてはという気分になりました。