2023/04/02

『エッジウェア卿の死』

エッジウェア卿の死 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

『エッジウェア卿の死』
アガサ・クリスティー
福島正実 訳
ハヤカワ文庫

ポアロシリーズ7作目。1933年の作品。

クリスティー文庫の表紙がビッグ・ベン。作中にビッグ・ベンは出てこないものの、劇場やサヴォイ・ホテルなどロンドンが舞台。
リージェント・ゲート、セント・ジェームズ・パーク、テムズ河畔チズィック、ピカデリー・パレス、ユーストン、コヴェント・ガーデンと地名がいっぱいでてくるのですが、距離感がまったくわからず。タクシーで行って帰ってこれる距離なのか、事件に関わってくるのでマップがほしいところ。

今回は容疑者多すぎ、ミスリードの連続なので犯人がまったくわかりませんでした。ポアロのヘイスティングズいじりとか、当時の流行とされている「スープ皿をひっくり返したような形」の帽子とか、人気女優、映画俳優、公爵が登場する派手な恋愛模様などを楽しみました。

ポアロとヘイスティングズはサヴォイ・ホテルに住んでるのかしら。ロンドンの劇場で観劇して、ホテルでご飯食べて、夜の街を散歩する生活。優雅だなあ。

訳がちょっと読みにくいところがありましたが、福島正実さんは『夏への扉』、『幼年期の終り』なども訳してるんですね。

以下、引用。

177
「こういう帽子は普通右側にかぶるものじゃないですか?」ポアロがすぐ訊ねた。
帽子店のマダムは頷いた。
「でも、反対用も多少はストックしておくのです。というのは、世間には、左より右の横顔に自信のある方もありますし、髪を片側だけに分ける習慣の方もありますからね。」

223
「あなたはいつも優しき心根の持ち主ですよ、ヘイスティングズ。苦難の美女は毎度あなたの気持ちをかき乱すらしいですな」

230
「わたしはあなたが第二の、もしくは二流の〝ポアロ〟たることを望みません。あなたが最良の〝ヘイスティングズ〟たることをこそ望みます。そうしてあなたはまさに最良最上のヘイスティングズです。あなたの内部には、ほとんど完璧に近い正常(ノーマル)なる人間精神があります。」

271
「ジャップのことですよ。犬を飼っていながら、なぜ自分でほえるのか、っていうじゃないですか。」

274
「それから流行の帽子をかぶっていたそうです。女ってものがもう少し帽子よりは顔のほうに注意してくれると助かるんですがねえ」

375
「いま一時間ばかりはある美容院にいたのですが、そこにあなたが見たらいっぺんにあなたのその感じやすい魂を奪われそうなとび色の髪の娘がいましたよ」

398
「息子というものは、決して、母の望むような娘たちとは結婚したがらないものですわ」




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