『占いをまとう少女たち
雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ』
橋迫瑞穂
橋迫瑞穂
青弓社ライブラリー
1980年代に少女たちの間に広まった「占い」と「おまじない」ブームを牽引した雑誌『マイバースデイ』を読み解き、80年代から2000年代の女性と占いの関係性の変遷を追う。
『魔女狩りの地を訪ねて』を読んで、魔女と占い、おまじないって切り離せないよねと思ったので、こちらを読んでみました。
『マイバースデイ』は1979年に創刊された占い専門雑誌。私は区別ついてなかったけど、『マイバースデイ』が実業之日本社、『Lemon』が学習研究社の刊行。2006年に休刊。
『マイバースデイ』だったか『Lemon』だったか星座別に毎日の占いが載っていて、透明な下敷き(あったよね!)にページを切り抜いていれている子がいたり、自分の星座ではないページを友達がくれたりしました。まあ、毎日の占いなんてそんなに熱心に見続けられるものでもないんですが。
この本のなかで紹介されているものだと「金星が輝く晩にワインを供えて呪文を唱え、洗面器と鏡を用意してそのなかを覗き込む」のように「おまじない」の手順が結構複雑で(金星が輝く晩っていつ?)、そんな面倒なことやってられるかという感じで私ははまらなかったなあ。
それでも、やはりこの本に出てくる「ティーカップにジャムを入れて月の女神に呼びかける」とか「小さな鈴をハンカチに入れて持って歩く」といったおまじないになぜだか見覚えがあるので、このページを友達にもらったか、ポピュラーなおまじないだったんでしょうか。
(比較的簡単なおまじないだから、やる気があったのかもしれない。)
「白魔女」という理想像に向けて、「魔女っこ」として読者が努力する、そのために「おまじない」があったというのはなかなかおもしろい見立て。
また、1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件により「宗教ブーム」に対する忌避感が生まれ、「おまじない」が魅力を失っていき、2000年になってスピリチュアル・ブームが起こり、成人女性が主な担い手であること、最近では妊娠、出産に結びついていること、などおもしろい指摘も多い。
(『マイバースデイ』の読者だった少女たちが大人になってスピリチュアルブームの担い手になった訳じゃないような気もしますよね。また別の世代な気がする。)
しかし、社会学的な文体もあって、分析は丁寧なのに、結論や考察がややいきなりで読みにくいというか、うまく飲み込めないところも多かったです。
ポプリとかフェルトの人形の手作りとか、80年代少女文化については、懐かしいというより、なんだったんだあれはという気持ちが強く、社会学者が考察して何か答えが出るのかどうかわかりませんが、ほかにもいろいろ本が出ているようなので読んでみたいです。



