
『百貨店・デパート興亡史』
梅咲恵司
イースト新書
イースト新書
「ショッピングモールとは何か」とともに今、興味があるのが「百貨店はオワコンなのか」というテーマ。手始めにこちらを。
よく知られた話ですが百貨店の前身は呉服屋なので、創業が1673年(三越)とか、1611年(松坂屋)とか、1717年(大丸)とか。1831年創業の高島屋は「歴史が浅い」のだとか。
三越のデパートメントストア宣言が1904年。明治の話です。
もう一方のルーツである電鉄系のターミナルデパートは1929年の阪急百貨店が最初。
歴史を遡ると小売業から「消化仕入れ」て店員が売るという百貨店方式の経緯がわかる。
呉服店のお帳場から外商制度やクレジットカードのシステムが生まれたのも納得。
私が初めてクレジットカードをつくったのも丸井なんですが(1990年代にはそういう若者は多かったはず)、創業者が月賦商だったというのは驚き。
もともと中流、上流階級を顧客としてきた百貨店が建物、広告、催事、食堂、屋上庭園など文化面で大きな役割を果たしてきたことも事実。
創業時代の話から1950年代、そして2000年代くらいに話が飛んでしまう感があり、どちらかというと1990年のピーク以降を知りたかった私としてはやや物足りない。
私にとって百貨店とは伊勢丹、京王、小田急あたりの新宿が中心なので、ここらへんの話が少なかったのも残念。
デパート誕生の時代から100年経っているので変革しなければ消えていくのもしょうがない。
本書のギンザシックスに見るように百貨店は百貨店ではなく、不動産ビジネスへと変わっていくことで生き残りをかけるのだとすると、新宿で進められている小田急や京王の高層ビルも完成の暁に百貨店が入らないこともあるのだろうなと思う。
この新書の発売日が2020年4月10日。コロナの緊急事態宣言第一回の頃です。売れなかっただろうなあ。
そして緊急事態宣言において百貨店も休業の対象となりました。(おぼえてますか?)
大打撃を受けたのは間違いなく、本書以降も閉店や改装、休業などが起こったはずなので、そこからの話も知りたいところです。




