
『すべての、白いものたちの』
ハン・ガン
斎藤真理子 訳
河出書房新社
斎藤真理子 訳
河出書房新社
『82年生まれ、キム・ジヨン』で韓国文学に興味がわいたので、@mountainbookcaseさんが紹介していて気になっていた『すべての、白いものたちの』を手にとってみる。
短編集というかエッセイ集というか全編、美しい詩のような作品。美しいといってもオシャレな美しさではなく、静謐で哀しみを湛えた美しさ。何枚か掲載されている写真(Douglas Seok とクレジットされている)のような、コンクリート打ちっ放しの、ガランとした、殺風景で無機質な冷たいモノトーンの美しさ。
@mountainbookcaseさんが紹介していたのは「タルトック」と「白い石」の一節なのだけど、特別な言葉は使われていないのに妙に心に残っていた。適当にページを開いて読んでみるとどのページも何かしらが心に残る。
一気に読み飛ばしてしまうのが惜しくて、一日に数ページずつ、大切に読みました。
韓国語はまったくわからないので、文章の美しさ、力強さに、斎藤真理子さんの訳がどれだけ貢献しているのか判別できないが、ハン・ガンという作家の作品をもっと読みたいと思う。
5種類の紙が使われていたり、天(ページの上の部分)が切り揃えていなかったり、装丁も静かに凝っている。
表紙の写真はベビー服だと思うが、生ではなく死を象徴しているところに愕然とする。