2022/06/21

『おちゃめなふたご』

おちゃめなふたご (ポプラポケット文庫 412-1)

『おちゃめなふたご』
エニド・ブライトン
訳 佐伯紀美子
ポプラポケット文庫

パブリック・スクールブーム続行中。
本当は『トム・ブラウンの学校生活』が読みたかったのですが、絶版で図書館にもなかったので、エニド・ブライトンものを。
全寮制女子校クレア学院に通う双子の物語。
原書の出版が1941年。日本語訳が1982年。
1991年にアニメ化されているそうですが、まったく知らずにいました。
『おちゃめなふたご』というタイトル、田村セツコによるイラストがもうおちゃめ。1982年当時だと、少女マンガっぽい表紙だと思うけど、今見るとレトロかわいい。
ふたごちゃんがなかなか性格悪くて、先生に反抗したり、上級生に楯突いたりしながら、だんだん学校に馴染んでいくのがおもしろいです。
先生へのいじめとか、盗難事件とか、なんでも正義感や友情で乗り越えちゃうのはユルいな〜と思いますが、そこがこの物語の良いところでもあるかも。子供のころに読みたかった!
おこづかいが少なくてケチだと思われたくなくて盗みを働く少女とか、貧しい生まれだったけどお金持ちになり、出自を知られたくなくてお嬢様のふりをする女の子とか、階級社会も垣間見えます。
下級生が上級生の言うことを聞く「ファギング」制度も出てきて、ふたごが最初はこれに反発しつつも受け入れていくあたり、当時はそれなりに意味があると考えられていたんでしょうね。(現在では廃止されている。)
岩波新書『パブリック・スクール』の著者、新井潤美さんは「イーニッド・ブライトン」ものに憧れてイギリスの女子校に入学。同級生たちも同じようにイーニッド・ブライトンものを読んでおり、「小説とはだいぶ違う」と言いながらも学園生活を楽しんだと書いてました。
真夜中のパーティはやりたいよね。
「そうだ、真夜中のパーティをしましょうよ。どうしてだか夜中にこっそり食べると、なんでも特別においしいのよ。」

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以下、引用。
翌日、ふたごはおかあさんといっしょにパディントン駅にいきました。ホームには、〝クレア学院〟と名札のかかった専用列車がとまっていました。
ふたごは自分たちの勉強部屋ものぞいてみました。レッドルーフスでは、二人に一部屋わりあてられていましたが、ここクレアでは、五、六年いがいは、みんなで大きな自習室を使うのです。そこにはラジオとプレイヤーがそなえてあり、本もたくさんありました。壁にはたながぐるりとついていて、各自が決められたところに持ちものを整理しておきます。
この学校では、五、六年生になるとふたりで勉強部屋がつかえるでしょう。そこでお茶を飲んだり、なかを自由にかざることもできるの。そんなときに下級生を手伝わせるのよ。下級生はいわれたとおりにしなくちゃいけないの。それがこの学校の習慣なのよ。だれもはらをたてたりしていないわ。だってわたしたちだって、そのうちに手伝わせる立場になれるんですもの。
そうだ、真夜中のパーティをしましょうよ。レッドルーフスにいるとき、いちどやったことがあるの。どうしてだか夜中にこっそり食べると、なんでも特別においしいのよ。
「ええっ? ソーセージ二本食べちゃいけないの? わたしはいつもプリンはおかわりするのを楽しみにしているのに。」
「きょうはだめ。勝ったらお茶のときクリームロールをあげるから。」
「友だちを見守るですって? よくまあ、あなたたちにそんなことがいえるわね。もっともわたしたちみんなでふたごちゃんを見守ったわけだ。はいってきたころのあなたたち、ひどかったものね。」
パットとイザベルは口の悪いジャネットにクッションをなげつけ、上からおさえこみました。
「こんどはあなたの番。口の悪いのをなおしなさいよ。チャンスをあげるから。」
「わたしはね、天候のことならもうぜったいだいじょうぶ! でも自信のあるところほど、テストにはでないものなのよね。テストって、病気で休んだところとか、おぼえにくいところからでるにきまっているんだから。」


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