祝 ハン・ガン ノーベル文学賞受賞!
ということで日本語で翻訳出版されているハン・ガンの作品リストをまとめてみました。
個人的に最初に読むならやはり『すべての、白いものたちの』がおすすめです。
現在、河出書房新社のサイトで冒頭が無料公開されています。
→ノーベル文学賞受賞記念! ハン・ガン『すべての、白いものたちの』無料公開
2007年 『そっと、静かに』
古川綾子 訳
クオン

音楽にまつわるエッセイ集。
「私が泣いているときに涙を拭ってくれたり、魂を売ったときに買い戻してくれる人はこの世のどこにもいないとわかっていたけれど、歌を聴いていると、起き上がる力と全身が弾け飛びそうな満員電車に再び向かっていく勇気が湧いた。宗教も癒してくれる恋人も持たないとき、そんなふうに一曲の歌が嘘みたいに日常を支えてくれることもある。」
2007年 『菜食主義者』
きむ ふな 訳
クオン

ブッカー賞受賞作。
肉を食べることを拒絶し、植物になりたいと願い、やがては食べることも放棄する主人公ヨンヘ。彼女の夫、義理の兄、姉からの視点で描いた中編三作。
ちょっと衝撃的かつシュールで最初に読むとびっくりするかも。
2011年 『ギリシャ語の時間』
斎藤真理子 訳
晶文社
言葉を失った女性と視力を失いつつある男性の物語。
「雪が空から落ちてくる沈黙なら、雨は空から落ちてくる終わりのない長い文章なのかもしれない。
単語たちが敷石に、コンクリートの建物の屋上に、黒い水たまりに落ちる。はね上がる。」

光州事件をテーマにした小説。
翻訳家・斎藤真理子さんは『少年が来る』の読書体験を水泳に例えていましたが、深いところに潜っていくような息苦しさがあります。
ノーベル文学賞は単一作品に与えられるものではありませんが、受賞時の「過去のトラウマに立ち向かい、人間の命のもろさをあらわにする強烈な詩的散文」という評にもっともあうのはこの作品でしょう。ただ、最初に読むにはちょっと強烈すぎるかと思います。
2013年 『回復する人間』
斎藤真理子 訳
白水社

「喪失と回復」がテーマの短篇集。
ハン・ガンの作品に共通する「なにかを喪った人の孤独」がよく現われていると思います。
2013年 『引き出しに夕方をしまっておいた』
きむ ふな、斎藤真理子 訳
クオン
斎藤真理子 訳
白水社

「喪失と回復」がテーマの短篇集。
ハン・ガンの作品に共通する「なにかを喪った人の孤独」がよく現われていると思います。
2013年 『引き出しに夕方をしまっておいた』
きむ ふな、斎藤真理子 訳
クオン
詩集。
韓国では詩がとても盛んで、普通に「お気に入りの詩集」のようなものがあるそうです。
韓国では詩がとても盛んで、普通に「お気に入りの詩集」のようなものがあるそうです。
クオンのサイトでためし読みが可能です。

光州事件をテーマにした小説。
翻訳家・斎藤真理子さんは『少年が来る』の読書体験を水泳に例えていましたが、深いところに潜っていくような息苦しさがあります。
ノーベル文学賞は単一作品に与えられるものではありませんが、受賞時の「過去のトラウマに立ち向かい、人間の命のもろさをあらわにする強烈な詩的散文」という評にもっともあうのはこの作品でしょう。ただ、最初に読むにはちょっと強烈すぎるかと思います。
「昔、僕たちは割れないガラスを持っていたよね。それがガラスなのか何なのか確かめてみもしなかった、固くて透明な本物だったんだよね。だから僕たち、粉々になることで僕たちが魂を持っていたってことを示したんだよね。ほんとにガラスでできた人間だったってことを証明したんだよね。」
2016年 『すべての、白いものたちの』
斎藤真理子 訳
河出書房新社

エッセイ集というよりは美しい散文集。
ハン・ガンの文章の美しさ、孤独、喪失といったテーマがよくわかる一冊。
文庫本も出ていますが、単行本の装幀がすばらしいので手元に置くなら単行本がおすすめ。
2016年 『すべての、白いものたちの』
斎藤真理子 訳
河出書房新社

エッセイ集というよりは美しい散文集。
ハン・ガンの文章の美しさ、孤独、喪失といったテーマがよくわかる一冊。
文庫本も出ていますが、単行本の装幀がすばらしいので手元に置くなら単行本がおすすめ。
「いかなる苦痛も味わったことがない人のように、彼女は机の前に座っている。
2021年 『別れを告げない』
斎藤真理子 訳
白水社


さっきまで泣いていた人でも、今にもまた泣きだしそうな人でもないみたいに。
打ちのめされたことがない人であるみたいに。
我々は永遠を手に入れることができないという事実だけが慰めだった日など、なかったように。」
2021年 『別れを告げない』
斎藤真理子 訳
白水社
参考文献としてこちらも。





