2024/11/24

甲州街道を歩こう! 四ツ谷~笹塚 その1

四ツ谷駅
前日、四ツ谷で断念したので、ここから再スタート。

四谷見附跡の石垣。

西念寺

西念寺にある服部半蔵の墓

同じく西念寺にある徳川家康の長子・信康の供養塔

観音坂

このあたり、甲州街道から少しそれた裏道なんですが、なぜか海外からの観光客と思われる若い女の子やカップルを見かける。
ガイドブックに載っていた須賀神社にたどりつくと、階段の下にも上にも撮影している観光客が。不思議に思いながら階段を登っているうち気がつきました。ここは『君の名は』のモデル地なんですね。このまま甲州街道を進むと新宿高校、新宿南口に出るので、まんま聖地巡礼コース。

須賀神社

例の階段。
新海フィルターかかっていない現実はこんなものです。

田宮稲荷。通称お岩稲荷。
説明板によると実際には夫婦仲は円満だったそうです。

お隣の陽運寺。こちらもお岩さんゆかりの寺だそうです。

縁結びとともに縁切り絵馬が並ぶ。

四谷三丁目の消防博物館
ここは信濃町から歩いてよく来ていたはずだけど、今さらヘリコプターに気づく。

四谷四丁目の交差点。
やっと新宿が見えてきました。

あとから気がつきましたが、ここはサンミュージックのビルがあったところで岡田有希子の自殺現場ですね。学生のころ、そんな話をしながら友人と通り過ぎたことを思い出しました。
ビルはまだ現存。
(ビルの名前、大木戸ビルというのですが、ここが四谷大木戸跡だからなんですね。気づかず通りすぎてますが、ビルの前に四谷大木戸碑があります。)
そう思って見るからかもしれませんが、交差点の複雑さといい、風水的になんかありそうな場所です。

日本橋から7km。

四谷大木戸跡碑

玉川上水水番所跡
玉川上水の由来を記した水道碑記(すいどういしぶみのき)。

新宿御苑大木戸門

内藤新宿開設三百年記念碑

新宿の地名は「新しい宿」が由来だとは知っていましたが、内藤さんがここに宿場を作らなかったら今の新宿の発展はなかったのかもと思うと感慨深い。

太宗寺

太宗寺にある銅造地蔵菩薩坐像
江戸の出入口6ヵ所に建てられた江戸六地蔵のひとつ。
予想を上回る大きさに驚く。

お稲荷さんの隣は塩かけ地蔵尊

内藤正勝の墓

切支丹灯籠

2024/11/23

甲州街道を歩こう! 日本橋~四ツ谷 その2

ウェディングフォト撮影中らしき皇居前。

明治生命館


帝国劇場


第一生命館

石垣が残る日比谷見附跡
天気が良くて気持ちよかったお堀沿い。


法曹会館

法務省旧本館

警視庁と国会議事堂が並ぶ桜田門前


桜田門

日本橋から3km
この時点で歩き出してから2時間。え?


日本水準原点
国会議事堂前の公園にあります。

国会議事堂


永田町一丁目
加藤清正邸→井伊直弼屋敷→陸軍参謀本部、陸地測量部と変遷。
つまり井伊直弼はこんな近所から出勤し、桜田門で襲撃されたわけです。
そして陸地測量部があったところに日本水準原点があるのか。

最高裁判所の前にある三宅坂小公園
渡辺崋山誕生地の看板がありました。

最高裁判所

「事件関係の要請又は陳情の方は、西門にお回りください。」
さすが最高裁判所、看板からも圧を感じます。


日本橋から4km
ここらへんでスマホのバッテリーがヒトケタ台になり、
モバイルバッテリーがなぜか効かず、そろそろ無理。

半蔵門。
もはや近くに行って撮影する気力なし。
やっと皇居(江戸城)から離脱。

日本橋から四ツ谷は約6km。
1時間で4kmは歩けるだろうと思っていましたが、写真を撮ったり、ウロウロしたりしていたので、ここまで3時間かかりました。本日は四ツ谷駅で終了。

甲州街道を歩こう! 日本橋~四ツ谷 その1 

『ブラタモリ』で東海道五十七次をやっていて、東海道はともかく甲州街道なら歩けるかもと初めてみました。


どこまで続くかわからないけれど、とりあえず日本橋からスタート。

東京市道路元標
1967年までは日本橋の中央に設置されていましたが
現在は北西の橋詰広場に移設。

橋の中央に埋め込まれている「日本国道路元標」のプレート。
当時の総理大臣・佐藤栄作の筆によるもの。
橋の北西詰にレプリカがあります。

里程標
甲府まで131km。


日本橋獅子像
「日本橋」、「にほんばし」の揮毫は最後の将軍・徳川慶喜の筆によるもの。


日本橋魚市場発祥の地
橋の北東、乙姫広場にある記念碑。

日本橋野村ビルディング旧館
現在、滝の広場になっている場所は大罪人の晒し場でした。


白木屋跡地に立つコレド日本橋
ガイドブックによると、アネックス広場に「白木の名水跡の碑」があるそうなんですが、アネックス広場自体が工事中で入れませんでした。


呉服橋交差点
呉服橋門、呉服橋とも撤去され、現在は名前のみ残る。


一石橋(いちこくばし)
撤去!工事中で渡れませんでした。


東京駅
休日ということもあってとにかく人が多かった。


KITTE丸の内(旧東京中央郵便局)


大名小路


日本工業倶楽部会館
幕府の伝奏屋敷がありました。


前川國男の東京海上日動ビルは解体中。


和田倉橋





2024/11/12

『十月の旅人』

十月の旅人 (新潮文庫)

『十月の旅人』
レイ ブラッドベリ
伊藤 典夫 訳
新潮文庫

1943年から53年までに発表されたレイ・ブラッドベリの作品10編をまとめた日本オリジナルセレクトの短編集。
『十月の旅人』という作品はなく、収録作品『十月のゲーム』、『永遠と地球』の本文あたりからつけた、こちらもオリジナルのタイトルかと思われます。
(つい「十二月の旅人よ〜」と歌ってしまう昭和世代。)
最初の単行本刊行(大和書房)が1974年、この新潮文庫版が1987年。2016年にハヤカワ文庫版も出版されていますが、昭和のSF感いっぱいの新潮文庫版の表紙が素敵です。(カバー東逸子となっています。)
解説にハロウィンの説明があるあたり、まだ日本ではハロウィンがそれほど知られていなかったからでしょう。
10月向きのものをと思ったら読んでいるうちに11月になってしまいました。
レイ・ブラッドベリは『火星年代記』(1950年)、『華氏四五一度』(1953年)が有名ですが、こちらに収録されている短編はまだ試行錯誤の時代だったのか、SFというよりミステリーやホラーに近いものも。
特にハロウィンの一日を舞台にした『十月のゲーム』(1948年)はほとんどホラー。ブラッドベリってこんな怖かったっけ?と思いながら読みました。
白人が絶滅してしまう世界を描いた『すると岩が叫んだ』(1953年)は人種差別の皮肉が効きすぎな社会的ホラー。
対して、火星から眺める親子が登場する『休日』(1949年)は『火星年代記』の習作ぽくもあります。

個人的には一軒の家を舞台に時が交錯するファンタジーっぽい『過ぎ去りし日々』(1947年)が好みでした。


2024/11/02

『修道院へようこそ』

修道院へようこそ:心の安らぎを手に入れるための11章 (修道院ライブラリー)

『修道院へようこそ』
ペーター・ゼーヴァルト 編
ジモーネ・コーゾック 著
島田 道子 訳
創元社

修道院ブーム続行中。
『修道院のお菓子と手仕事』が旅ガイド本的な軽いものだったので、もう少し本格的に。
ドイツのオーバーシェーネンフェルト大修道院に体験訪問した著者による修道院の暮らし、規律、そこで得られる安らぎについての紹介。

この修道院に限らず、ヨーロッパなどでは訪問客に対し、数日間の滞在を認めている修道院がいくつかあるようです。
修道院に泊まれるなんて素敵!とまたミーハー心で思ってしまいます。

冒頭で著者が割り当てられた質素かつ素敵な部屋の様子が紹介されていて、おっと思ったのですが、その後は修道院の歴史、聖ベネディクトゥスによって定められた会則、沈黙、祈り、黙想についての考察が続きます。
修道院の日常、修道女のライフスタイル的なものを読みたかった私としては、うーん、そっちじゃないんだけどという気分もありましたが、修道院という建物自体が「安息」を求めるために建てられているというのはなかなかの発見でした。

「沈黙」の時間が定められていて(というより話すことが許されている時間のほうが少ない)、食事中も聖書の朗読を聞きながら黙って食べる、労働だけでなく、読書(聖書)も祈りと同じく修道士たちに課されているなど、定められているスケジュールも興味深い。
毎日決まった時間に祈りや労働を行なうために、時間が正確に計測され、修道院で最初に機械時計が用いられたというのもおもしろい話です。

近年、マインドフルネスが注目されていますが、禅と同じくキリスト教でも神に近づくための手段として黙想が重視されているのもおもしろいですね。
修道院の静けさ、沈黙、祈り、黙想、これらはすべて「安息」のためにあり、修道院の建物の構造、修道士の服装、穏やかな話し方も安息を得られるように考えられているとは。

「深い安らぎは静かな場所でしか見いだせない」

訪問客が体験できるのはどこまでなのか、食事、一日七回の祈りは参加するとして、労働や読書の時間はどうするのかなとか、訪問客が入れない禁域はどうなっているのか、沈黙の時間、個々の部屋で修道女たちは何をしているのか、などなど、気になるところはまだまだあるのでもう少し修道院ブームは続きそうです。


2024/10/23

祝 ノーベル文学賞受賞! ハン・ガン日本語翻訳作品リスト

祝 ハン・ガン ノーベル文学賞受賞!
ということで日本語で翻訳出版されているハン・ガンの作品リストをまとめてみました。

個人的に最初に読むならやはり『すべての、白いものたちの』がおすすめです。
現在、河出書房新社のサイトで冒頭が無料公開されています。
ノーベル文学賞受賞記念! ハン・ガン『すべての、白いものたちの』無料公開

2007年 『そっと、静かに』
古川綾子 訳
クオン

そっと 静かに (新しい韓国の文学 18)
音楽にまつわるエッセイ集。
「私が泣いているときに涙を拭ってくれたり、魂を売ったときに買い戻してくれる人はこの世のどこにもいないとわかっていたけれど、歌を聴いていると、起き上がる力と全身が弾け飛びそうな満員電車に再び向かっていく勇気が湧いた。宗教も癒してくれる恋人も持たないとき、そんなふうに一曲の歌が嘘みたいに日常を支えてくれることもある。」

2007年 『菜食主義者』
きむ ふな 訳
クオン
菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)
ブッカー賞受賞作。
肉を食べることを拒絶し、植物になりたいと願い、やがては食べることも放棄する主人公ヨンヘ。彼女の夫、義理の兄、姉からの視点で描いた中編三作。
ちょっと衝撃的かつシュールで最初に読むとびっくりするかも。

2011年 『ギリシャ語の時間』
斎藤真理子 訳
晶文社
ギリシャ語の時間 (韓国文学のオクリモノ) 
言葉を失った女性と視力を失いつつある男性の物語。
「雪が空から落ちてくる沈黙なら、雨は空から落ちてくる終わりのない長い文章なのかもしれない。
単語たちが敷石に、コンクリートの建物の屋上に、黒い水たまりに落ちる。はね上がる。」

2013年 『回復する人間』
斎藤真理子 訳
白水社
回復する人間 (エクス・リブリス)
「喪失と回復」がテーマの短篇集。
ハン・ガンの作品に共通する「なにかを喪った人の孤独」がよく現われていると思います。

2013年 『引き出しに夕方をしまっておいた』
きむ ふな、斎藤真理子 訳
クオン
引き出しに夕方をしまっておいた (セレクション韓・詩) 
詩集。
韓国では詩がとても盛んで、普通に「お気に入りの詩集」のようなものがあるそうです。
クオンのサイトでためし読みが可能です。

2014年 『少年が来る』
井手俊作 訳
クオン
少年が来る (新しい韓国の文学 15)
光州事件をテーマにした小説。
翻訳家・斎藤真理子さんは『少年が来る』の読書体験を水泳に例えていましたが、深いところに潜っていくような息苦しさがあります。
ノーベル文学賞は単一作品に与えられるものではありませんが、受賞時の「過去のトラウマに立ち向かい、人間の命のもろさをあらわにする強烈な詩的散文」という評にもっともあうのはこの作品でしょう。ただ、最初に読むにはちょっと強烈すぎるかと思います。

「昔、僕たちは割れないガラスを持っていたよね。それがガラスなのか何なのか確かめてみもしなかった、固くて透明な本物だったんだよね。だから僕たち、粉々になることで僕たちが魂を持っていたってことを示したんだよね。ほんとにガラスでできた人間だったってことを証明したんだよね。」

2016年 『すべての、白いものたちの』
斎藤真理子 訳
河出書房新社
すべての、白いものたちの
エッセイ集というよりは美しい散文集。
ハン・ガンの文章の美しさ、孤独、喪失といったテーマがよくわかる一冊。
文庫本も出ていますが、単行本の装幀がすばらしいので手元に置くなら単行本がおすすめ。
「いかなる苦痛も味わったことがない人のように、彼女は机の前に座っている。
さっきまで泣いていた人でも、今にもまた泣きだしそうな人でもないみたいに。
打ちのめされたことがない人であるみたいに。
我々は永遠を手に入れることができないという事実だけが慰めだった日など、なかったように。」

2021年 『別れを告げない』
斎藤真理子 訳
白水社
別れを告げない (エクス・リブリス)


参考文献としてこちらも。
『韓国文学の中心にあるもの』
斎藤真理子
イースト・プレス
韓国文学の中心にあるもの