
『修道院へようこそ』
ペーター・ゼーヴァルト 編
ペーター・ゼーヴァルト 編
ジモーネ・コーゾック 著
島田 道子 訳
創元社
修道院ブーム続行中。
『修道院のお菓子と手仕事』が旅ガイド本的な軽いものだったので、もう少し本格的に。
ドイツのオーバーシェーネンフェルト大修道院に体験訪問した著者による修道院の暮らし、規律、そこで得られる安らぎについての紹介。
この修道院に限らず、ヨーロッパなどでは訪問客に対し、数日間の滞在を認めている修道院がいくつかあるようです。
修道院に泊まれるなんて素敵!とまたミーハー心で思ってしまいます。
冒頭で著者が割り当てられた質素かつ素敵な部屋の様子が紹介されていて、おっと思ったのですが、その後は修道院の歴史、聖ベネディクトゥスによって定められた会則、沈黙、祈り、黙想についての考察が続きます。
修道院の日常、修道女のライフスタイル的なものを読みたかった私としては、うーん、そっちじゃないんだけどという気分もありましたが、修道院という建物自体が「安息」を求めるために建てられているというのはなかなかの発見でした。
「沈黙」の時間が定められていて(というより話すことが許されている時間のほうが少ない)、食事中も聖書の朗読を聞きながら黙って食べる、労働だけでなく、読書(聖書)も祈りと同じく修道士たちに課されているなど、定められているスケジュールも興味深い。
毎日決まった時間に祈りや労働を行なうために、時間が正確に計測され、修道院で最初に機械時計が用いられたというのもおもしろい話です。
近年、マインドフルネスが注目されていますが、禅と同じくキリスト教でも神に近づくための手段として黙想が重視されているのもおもしろいですね。
修道院の静けさ、沈黙、祈り、黙想、これらはすべて「安息」のためにあり、修道院の建物の構造、修道士の服装、穏やかな話し方も安息を得られるように考えられているとは。
「深い安らぎは静かな場所でしか見いだせない」
訪問客が体験できるのはどこまでなのか、食事、一日七回の祈りは参加するとして、労働や読書の時間はどうするのかなとか、訪問客が入れない禁域はどうなっているのか、沈黙の時間、個々の部屋で修道女たちは何をしているのか、などなど、気になるところはまだまだあるのでもう少し修道院ブームは続きそうです。

















